Column2017/10/20

【Column-051】 [太陽の下で-14]『再びの離脱から』

 

左足ふくらはぎの肉離れが完治した細貝萌は一旦チームの全体練習に合流して10月1日のつくばFCとの練習試合に出場したが、そこで太ももの違和感を感じ途中交代し、翌々日にMRI検査を受けた。幸い患部にはっきりした出血は見られずに大事には至らなかったが、最近の度重なる負傷を考慮して再び別メニュー調整することを決断し、そこから約2週間を経てようやく完全合流した。

 

「ふくらはぎのケガが良くなってきて、ここからようやくといった時に、また太ももの違和感があったからさすがに落ち込んだ。でも、結局は自分がやれることをし続けるしかないと思い直した。この期間はチームがオフのときも必ず練習場へ行ってリハビリメニューをして、ようやく全体練習に加われる状況になった。チームのフィジカルコーチやマッサーはもちろん、様々な方々が僕のために治療をしてくれて時間を作ってくれている。皆が多大なサポートをしてくれているから、とても感謝している。ふくらはぎは4週間、太ももは2週間のリハビリだったから合計で約6週間ぐらいの離脱だったよね。その間に部分合流している時期もあったからすごく長かったという感覚はないけども、よくよく考えてみたら、約1か月半も戦線を離脱したのは自分のプロサッカー人生の中で最も長い期間になってしまったね……」

 

ドイツ・ブンデスリーガ2部のシュトットガルト在籍時代に太ももの肉離れが治癒した直後に足の小指を骨折して再び戦列を離れたことがあったが、それでも、これだけの長期離脱にはならなかった。思えば、細貝は30歳を過ぎてから負傷が増えている。自らの身体の状況を正確に把握する必要に迫られているのは確かだろう。

 

「年齢を重ねてきて、やらなきゃならないことも増えてきた。また、コンスタントに試合に出続けていないとコンディションやプレーレベルを保つのは難しいとも痛感している。試合に出てこそ良いコンディションを保つことができるからね。やっぱり、そこは若い時とは全然違うかもしれない。今後は、またケガをしないようにいろいろな予防をしていくつもりだけど、大前提として、当然試合出場のチャンスを掴む努力をしなければならないと思っている」

 

最近の柏レイソルはヴァンフォーレ甲府に0−1、コンサドーレ札幌に0−3と、下位クラブを相手に連敗を喫してしまった。リーグ順位は3位のままだが、4位の横浜F・マリノスとは勝ち点1差。また首位の鹿島アントラーズとは勝ち点11差を付けられた。今季途中に上方修正したリーグタイトルを目指す道程は険しいが、少なくとも3位以内に与えられる来季のAFCアジア・チャンピオンズリーグ出場権は絶対に死守しなければならない。

 

「僕はこれまでリハビリで全体練習に合流できていなかったから、選手たちと全ての練習をこなして同じ時を過ごせてこれなかった。もちろん日常的には話をするけども、同じピッチに立って練習をすることができなかったわけで、今の連敗している状況を正確に把握できていない面もある。だから、これから自分が復帰したら、まずはピッチに立って皆と時間を共有することで、今の悪い流れを断ち切る努力をしたい。

 

若い頃は自分のプレーに専念する思いが強かったけれど、今は立場も少し違う。チームに良い影響を与えられるような振る舞い、プレーをしたいと思っている。今の柏は若い選手が多くて、その点の勢いは間違いなくある。たとえ厳しい試合が続いても、そこで勝ち星を挙げて上位に居続けるのがタイトルを獲るチームだと思うんだけども、今季中盤までの柏は苦しい中でも勝利できたゲームがいくつもあった。だから、その時のことを思い出して残り5試合のリーグ戦をチーム皆で戦いにいくよ。そして自分も、その中に入ってチームに貢献したいと思っている」

 

2017シーズンも終盤を迎える中、柏にはまだリーグ、天皇杯の2冠を得る可能性が残っている。復帰間近の細貝は今、チームへの貢献を心に期している。