Column2018/02/25
柏レイソルは、他のどのクラブよりも早く2018シーズンをスタートさせた。AFCアジア・チャンピオンズリーグで日本の第4代表としてプレーオフに臨まねばならなかったからだ。
1月30日、柏はタイのムアントン・ユナイテッドをホームの日立柏サッカー場に迎え、そのゲームを3-0で制した。これで念願のACL本選出場を決めた柏は全北現代(韓国)、天津権健(中国)、傑志FC(香港)と同組になり、そのグループステージ第1戦はアウェーの全北現代戦になった。これまでのACLの戦績から『韓国キラー』と称される柏にしてみれば格好の相手である。しかし試合はハモン・ロペス、江坂任のゴールで柏がリードする思い通りの展開になったが、ここから柏は3失点して逆転負けを喫してしまう。
思いがけない結果から一週間後、柏はホームで天津権健戦に臨み、またしてもクリスティアーノの得点で先制してゲームを優位に進めたにも関わらず、試合終了間際にアレシャンドレ・パトにゴールを許して同点に追いつかれてしまう。これでACLは3戦して1勝1分1敗。グループステージに限っては1分1敗で勝ち星がない。そんな中、3試合ともにベンチ入りするも出場機会がなかった細貝萌は歯がゆさを噛み締めながら、それでも自らがチームに貢献できない現状を打破すべく、努力を重ねている。
「Jリーグがようやく開幕するけども、僕らはすでにACLのゲームをやっているから、すでにシーズンが始まっている状態なんだよね。今は連戦に突入している中で、それでも僕のコンディションはすごく良いと思ってる。ケガもないしね。試合勘は別だけど、ゲームでプレーできるという感覚はどんどん上がっているし、その準備もできている」
今の細貝はチーム内で、ボランチのポジションでプレーし続けている。しかし、現状ではキャプテンの大谷秀和、そして韓国代表であるキム・ボギョンに続く立場で、新潟から獲得した小泉慶もいる。また、もうしばらくすると昨季、膝前十字靭帯損傷、右膝外側半月板損傷の重傷を負った手塚康平が復帰する。未だに確固たる立場を築けていない細貝は今季も、まずはチーム内での激しい競争を勝ち抜かねばならない。
「今の状況が難しいことはわかっているよ。でも、出番を与えられたときに、与えられた役割を全うできるように準備をしている。これからシーズンは長いわけで、リーグとACLを並行して戦う過密日程の中で、必ず柏にも苦しい時期が来ると思うから。そのときに、少しでも僕の力がチームの助けになるように、満足いくプレーができるように、毎日の練習に集中したいと思っている。今年はより自分にフォーカスしたいと思ってるから」
昨季はいろいろなことを考えた。自らに出番が来ない中で、クラブが新たな戦力を獲得して一層立場が厳しくなったことも実感した。しかし今季は、また新たなチームの中で、新たな目標に突き進んでいる。その中で自らの立場を確立し、このチームの勝利に邁進したいと考えている。
「去年はいろいろ考える部分があった。でも、結局自分ができることをやっていくしかない。考えすぎるよりも、このチームのスタイルに順応する努力を重ねて、その中でチームの一員として戦う意欲を持ち続ける。これまでもこれからも最終的には自分との闘いだから。周りは関係ない」
柏のJリーグ開幕戦は仙台の地から始まる。アジア、そして日本国内の頂点を目指す戦いの中で、細貝自身も、その存在価値を示す。
(了)