Column2022/01/31

【Column-090】「My home town-04」『キャプテン就任』

 2022シーズンのザスパクサツ群馬は、細貝萌がキャプテンを務めることとなった

「今季からザスパクサツ群馬の指揮を執る大槻毅監督と話をしていく中で、『キャプテンに就任してくれ』というお話を頂きました。僕としては、そのように言ってもらえるのであれば『もちろん、引き受けます』とすぐに返事をしました。当然のようにチームのために、もちろんキャプテンであろうと、そうでなかろうと、自分自身のやることは何も変わらないと思っていましたけども、改めてキャプテンを務めることになったことで責任感も強く芽生えたように思います。僕はここにいる選手の中では年齢が高く、海外、国内を含めて様々なクラブを渡り歩いてもきました。その経験値をチームに良い形で還元できればと思っています。その意味では、ある程度のプレッシャーに関しては他の選手に比べ自分の中でコントロールできるとも思っていて、キャプテンの任を務める覚悟は出来ていますよ」

 

 昨季のザスパクサツ群馬はJ2の残留争いを強いられ、最終節でようやくその最低限の目標を達成できた。今季は新監督を迎えて心機一転、上位争いに参入する心持ちだろうが、その中でもシーズンの間には厳しい局面に直面する可能性もある。

「もしもチームが苦しい場面に直面した場合、あえて自分に目を向けてもらうことで他の選手たちが受けるであろうプレッシャーを軽減させたいと考えています。重要なのは、ピッチ上で如何に選手たちが能力を発揮できるか。そのためには僕自身が様々なプレッシャーを引き受ける役目を負い、他の仲間にはフレッシュな気持ちで堂々とプレーしてほしい。それがチームの結果へと繋がれば、これ以上の喜びはないですからね」

 

 リーダーシップを発揮してチームを高みへと導く。そのためには当然プレー面での貢献も必要になる。

「それは大前提で、プレーで皆を引っ張っていく覚悟はある。1試合、1試合、常にベストを尽くすことをファン。サポーターの方々に約束します。チームの全員が同じ方向を向いて、大槻監督が求めるものを実践していく。その結果、最終的にチームの目標を達成したいと思っています」

 

 細貝は自身のキャリアの中で初めてキャプテンの任を務める。

「この年齢になり、以前と比べても責任感が強くなっているのは確かです。また、僕は若い時を除くと海外のクラブに在籍していた期間が長く、母国とは異なる文化や言語でもあったことで、もちろんゲームキャプテンはやった事は当然あるのですが、自分自身がキャプテンというイメージは全くなかった。でも、群馬は僕が生まれ育った場所でもあり、このクラブに在籍することになってからはもちろん自分が皆を引っ張っていかなきゃいけないという気概もあった。」

 

 まだ新シーズンが始動したばかりだが、細貝自身は今季の群馬に確かな手応えも掴んでいる。

「大槻毅監督の新体制の下でチームは間違いなく良い方向に向かっていると感じています。とにかくチームの結果が出るようにベストを尽くしたい。皆さんご存知の通り、大槻監督はとても情熱があるし、選手に対して様々なことをとても分かりやすく説明してくれている。群馬に在籍している選手の中にはまだそこまで多くの経験を積んでいない選手もいたり、大槻監督が以前指揮を執っていた浦和レッズの選手たちとも少し違うかもしれない。けども、僕はザスパクサツ群馬というチームに大槻監督は非常に合っているんじゃないかと思っている。それは数日トレーニングを積んだ時点ですぐに僕が感じた印象ですね。それは僕だけじゃなく、他のチームメイトもそう思っているのではないかな。ただ、大槻監督が求めるものを選手たちがしっかりと表現できないと良い結果は当然出すことは出来ないと思う。だからこそ僕自身の求められる役割はとても大きいと感じています。今シーズン、ザスパクサツ群馬は『Beyond THESPA(ビヨンド・ザスパ)~ザスパを超えろ‼~』というスローガンを掲げたんですが、今までのザスパを超えていく。その為にベストを尽くしていきます。」

 

 キャプテンは監督とのコミュニケーションを密にして、その考えをチームメイトに伝えなければならない。また逆に、チームメイトの意見や思いを指揮官に伝達する役割も担う。

「もちろん選手とスタッフ陣の連携もとても大切になってくると思います。キャプテンである僕は、そのどちらの立場も尊重しながら、常にチームが良好な状態を保てるように配慮していきたいと思っています」

 新たなる役割と責任を得たことで、細貝自身も自らの成長を促そうとしている。ひいてはそれがプレーの原動力になり、今季のザスパクサツ群馬の躍進へと繋がることを願う。

(了)