Column2022/10/27

【Column-092】「My home town-06」『厳しかった2022シーズン』

厳しく困難なシーズンが終わった。

細貝萌の所属するザスパクサツ群馬はJ2リーグで残留争いに飲み込まれ、最終的には11勝9分22敗の勝ち点42で20位となり、辛うじてJ2への残留を決めた。

 

キャプテンを務めた細貝はシーズン序盤の3月6日、J2・第3節・ベガルタ仙台戦で左足関節脱臼骨折の重傷を負い長期離脱を強いられ、当初は全治6か月と診断されたものの、チーム成績低迷の中で早期復帰を決断。

7月10日の同第26節・町田ゼルビア戦で約4か月ぶりの途中出場を果たすと、その後はリーグ戦で全試合先発出場してチームを牽引し、何とか最低限の目標であるJ2残留を果たした。

 

「シーズンを通しての結果を見ると、一選手として情けないと思う。チームの当初目標、そして僕個人が目指していたところではなく、最終的にシーズン終盤で残留という目標に切り替えなければならない状況になってしまった。その点は非常に残念でした。今季始めに掲げた目標が達成できないことがわかって、現実を直視しなければならなくなったわけですからね」

 

今季のJ2はシーズン半ばから熾烈な残留争いが続いた。そのライバルは多岐に渡り、群馬にとって多くの試合がサバイバルマッチになっていった。

「クラブがJ3に降格するか、それともJ2で戦い続けられるか。その結果によって各々の未来が全く変わってしまう。それはクラブとしてはもちろん、個人の環境にも関わることで死活問題ですよね。その未来を死守するために、僕自身はキャプテンとしてプレッシャーを感じながら日々を過ごしていました」

 

キャプテンの任を負いながら、大怪我をしてしまったことも痛恨だった。

「早い段階で怪我をしてしまったことでその数ヶ月間はピッチ上で力になることができなかった。とにかくプレーし続けることで少しでもチームの手助けができると思っていたので、その点も含めて本当に辛かったです。ただ、キャプテンとしてできることはやろうと思っていたし、今振り返ればベストを尽くしたとも少しは感じています。クラブを降格させなかったこと、この点に関しては大きな成果だと思っている。これすら達成できなかったら、キャプテンである僕の責任は甚大だと思っていましたから。僕に付いてきてくれたチームメイトや信頼を寄せてくれたコーチングスタッフ陣、支えてくれたスポンサーの方々、そして僕の地元である群馬の町の人々、サポーター、ファンの方々には感謝の言葉しかありません。周りの支えがあったからこそ残留を果たせたし、毎日辛いリハビリにも耐えることができた。キャプテンとして、それを改めて噛み締めています」

 

苦しいシーズンを戦った中で、自らのプレーパフォーマンスにも言及した。

「僕自身は大きな怪我を負った中で、それでも気持ちを途絶えさせずに戦う姿勢だけは絶対に崩してはいけないと思ってやってきました。そうすればその情熱は観ている人、応援している人に伝わっていると信じて。その心だけは貫いて1年間走り続けてきたつもりです。だから、まだまだ現役としてプレーは続けますよ。プロサッカー選手なので、全ては契約次第ではあります。所属クラブに残る選手、移籍を決断する選手、あるいはクラブから何らかの通達を受ける選手など、その状況は様々だとも思います。チームから『いらない』と言われれば、その場を去らなければならない。僕はそういう世界で生きているし、自分の年齢を考えても厳しい選択を強いられる可能性は年々高まっているとも思っている。例えば所属チームの監督が代われば、当然チーム編成にも変化が生じる。クラブやチームの方針が変われば、選手自身は新たな選択を強いられるかもしれない。ただ、それでも僕の中では、まだまだプレーできると信じているし、もちろんチームに貢献できると思っている」

 

細貝は、それでもプロサッカー選手としてのモチベーションを絶やしていない。

「一応今シーズンが終わって、これからオフ期間に入るわけですけども、今年はまず一度治療にはいります。それが今後も現役生活を続ける原動力になるし、しっかりメンテナンスしたい。実はまだ、負傷を負った骨折箇所の治療が必要で、まずはその箇所を正常にしなくてはいけない。とりあえず痛み止めが必要ではなくなるまでに持っていかなくてはですね(笑)。もちろん多少は無理をしてしまった実感もある。だからこそ来シーズンに向かっていく為、しっかりスケジュールを組みたいと思っています」

 

 

野心は絶えず。細貝萌のプロサッカー人生は、これからも続く。

 

(了)